白浜のスナック・ムーンライトのひろみママから、「ナギサビールのラベルやポスターのデザイン等について、もっときちんと説明をしなさい」と宿題をいただきました。ひろみちゃん、皆様、長文ですが是非ご一読くださいませ。
メインデザインには南紀白浜の地図をほどこしております。これは、海水浴や温泉で有名な南紀白浜を、ナギサビールが和歌山県外にたくさん売れることで、もっともっと多くの人々に南紀白浜を知ってもらい、「一度白浜へ行ってみたい」「また白浜に行きたい」と思っていただけるような存在になれるようにとの願いからです。
また、白浜町民の皆様に、とりわけ町内で宿泊業や飲食業、販売業に携わる皆様に、地元の商品であることを強く誇りに想っていただきたいとの願いも重ねています。
First Breath 1997 の表記について
会社の設立登記は1996年11月なのですが、ラベルやポスターにはビールの発酵を始めた、販売を始めた年号を採用しました。ふつうはSince やEstablishを使うことが多いと思います。でも当社は海洋環境アーティストのワイランドさんの作品名「First Breath」を採用しました。この作品は生まれたばかりの赤ちゃん鯨を、産んだばかりの母鯨が、早く赤ちゃんに呼吸をさせてあげようと、自分の顔面をつかい、海上まで赤ちゃん鯨を押し上げている様子を描いております。ナギサビールもいろんな方々のお世話になり、この世に押し上げていただいておりますし、ビールの発酵も酵母菌の呼吸のような気もします。この英語を意訳すれば「産声」だとの想いで使用しております。
虎福丸について
大正時代の白浜桟橋、通称綱不知(つなしらず)湾に、三本マストの木造商船「虎福丸」があったというお話を、親父の伯父の葬儀の精進揚げの席で初めて聞きました。そして、その船を造ったのがその伯父の父、すなわち僕の曽祖父で名前が「眞鍋金太郎」、その父親が「眞鍋虎吉」であったので「虎福丸」であった、ということも初めて聞きました。現在は、「焼肉とらふく」という屋号で親類が小さな焼肉屋さんを営んでおりますが、その屋号の由来もその時に初めて知り、その席で「ナギサビールで虎福丸を復活させ使わせて欲しい」とお願いしました。
ホヌ(海亀)について
当社のゴールデンエールにはホヌ(海亀)のデザインを使用しております。これは東北の震災があった直後に販売予定のビールだったので、白良浜とハワイのワイキキビーチが友好姉妹浜になっていることから、ハワイでは海の守り神のシンボルであるホヌに、津波から日本を守りに来て欲しいとの願いで使用しております。
マーメイド(人魚)について
当社のアンバーエールにはマーメイド(人魚)のデザインを使用しております。これは、アンバー(琥珀)は人魚の涙が海底に沈んで琥珀ができたという伝説にちなんでいます。創業間もない経営状況が大変だった頃、和歌山市のビール専門居酒屋のマスターが、地元和歌山のビールだからと、当社直営店よりも安く、お店のメインのビールとして大々的に提供してくださっておりました。そのマスターが常々「ナギサビールのアンバーエールが飲みたい」と言ってくれていたのに、事故でお亡くなりになり飲んでいただくことができませんでした。この人魚の涙の伝説に、当社のこのマスターへの想いを重ねております。
アイパッチスタウトのデザイン・ネーミングについて
ナギサビールとしての僕の黒ビールのイメージは海賊なので、初めての黒ビールを造る際は、それにちなんだネーミングにしたいと思っておりました。白浜の三段壁洞窟には、武蔵坊弁慶の父親といわれる熊野別当湛増(くまのべっとうたんぞう)が、熊野水軍の船を隠していたという伝説があります。それを海賊のような存在にみたて使用しています。
その伝説にちなんで、白良浜では毎年「熊野水軍埋蔵金さがし」のイベントも開催されておりますので、普段は虎福丸の船のイラストを、このビールだけは熊野水軍と記し、埋蔵金の宝箱や海賊のイメージのガイコツの旗のイラストを、そしてガイコツマークの眼帯は、海賊のシンボルということで「アイパッチスタウト」と名付けました。
へヴンのデザイン・ネーミングについて
ナギサビールの新工場ができたことで、ドイツスタイルのラガービールも製造販売できるようになりました。
この創業19年目でようやく移転できたのも、今までお世話になった方々のおかげですが、その間にお世話になった方で、もう会えなくなった人も多くなってきました。その方たちに天国で飲んでいただきたいとの想いで、ドイツスタイルの黄金色のへレスタイプのビールを「ヘヴン」と名付け、普段はコンパスのデザインを、気持ち十字架にも見えるようにデザインを変更しております。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。